冬の野菜の代表と言えるネギ。
風邪に効果があると言われていますが、そのネギの健康効果についてNHK『ガッテン!』で徹底的に調査。そのネギに含まれている健康成分の効果や効果的な食べ方について放送していましたのでまとめました。
体温を上げる成分はアリシン!
色んな薬になる植物のことが書かれてある文献「大和本草」には葱の項目があり、そこには「急死した人に葱を男は左、女は右の鼻に、七八寸刺しいれると血を出して甦った」と記載されているそうです。
そこで、ガッテンでは、その効果はネギに含まれている香りが関係しているのではないかと、40年間ネギの機能性を研究してきた通称ネギ博士 日本大学名誉教授 有賀豊彦教授に協力を得て調査をはじめます。
すると、ネギを食べた時より、ネギの香りを嗅いだだけの方がサーモグラフィーカメラをみると体の温度は上昇することが分かりました。
有賀教授の解説によると、香りによる化学的刺激によって血管が拡張して体温が上昇すると考えられるそうです。その刺激となっている香りはネギに含まれているアリシン。
ネギを切ると酵素の反応で刺激のある香りアリシンが生れ、それが空中に出て鼻から入って刺激し血管が拡張して血流がアップしてカラダの抵抗力を高めると考えられているそうです。
なぜ、食べた時よりも切って香りだけ嗅いだ時の方が体温を上昇させる効果があるのか?
実は、切った時に生まれるアリシンは、空気のおよそ6倍重いそうです。そのため、切ったネギを食べても、香りはネギが入っていた器に取り残されてしまうのだそうです。
昔から、ネギを切って手ぬぐいに入れて首に巻くと風邪が治ると言われていましたが、これは香りの効果によって血流が上昇して免疫力を高めていたのではないかと推測できます。
新型肺炎ウイルス「SARS(サーズ)」にかからなかった町の効果的な食べ方!
さらに、番組ではこのアリシンの凄い効果に着目しました。それは、2003年に世界中に広がって大騒ぎになった新型肺炎ウイルス「SARS(サーズ)」。高熱と呼吸困難を伴い最悪は命も奪ってしまう恐ろしウイルスです。中国南部で発生しアッという間にアジア全域に広がり、感染者は8000人、死者は700人を超えたと伝えられています。
中国の各省では数百名単位の数で感染者が出てしまいました。ところが、そんな中、ある町ではSARSの影響をほとんど受けなったかった町があるのです。その町は山東省章丘、ネギの里と言われているネギの産地でネギは町のシンボルなんです。
その町で住んでいる町民は、最低でもネギを2本はネギを食べており、その食べ方がビックリ!なんと生で丸かじりで食べているんです。生のまま丸かじりで食べると、噛んだ時に口の中でアリシンが生れ、そのまま逃すことなく香りが鼻に届くのです。
アリシンは加熱してしまうと生まれてきません。効果的にアリシンを活用するためには、なるべく生のネギを使い、細かく刻むとよりたくさんアリシンが生まれます。こうしたネギの食べ方が体の抵抗力をあげてくれSARSに感染しなかったと考えられているのです。
また、その町の人は生のネギをすり潰して洗剤として使っていたのです。何でも油汚れが良く落ちるんだそうですよ。早速実践してみたい所ですが・・・今は野菜が高騰しているので勿体なくてできません。
日本人が発見したネギに含まれる新健康成分!
肺炎、インフルエンザ、ガン、肝炎を予防するネギの新しい健康成分が見つかったそうです。それを発見したのが農研機構 野菜花き研究部門品質機構ユニット長 上田浩史さん。
ネギの青い部分にあるヌルヌルした粘液を、ある食べ方をすると免疫力をアップさせる働きがあることが分かってきたんです。その食べ方は後程紹介しますが、まずは、その主な働きです。
・唾液に含まれている免疫力を司るIgA抗体の量を1,5アップ。
・血液中に入ってきた細菌やウイルス食べて撃退する免疫細胞マクロファージの働きを5倍アップ。
・ガン細胞と闘うナチュラルキラー細胞を3~4倍アップ。
このような作用があるそうです。※どれくらいの量で効果が出るのかは現在研究中です。
番組では、実際にスタジオにいるゲストに粘液を試食してむらうと「甘くておいしい!」と好評!
スーパーなどで買ったネギを切ってみたら、青い部分にヌルヌルした粘液が無い。こんな事ありますよね?でも安心してください!この場合でも、乾燥しているだけなので、少し水をつけるとヌルヌルした粘液が作られます。
この粘液は新鮮なネギの青い部分にたっぷり含まれており寒いほど増えます。また、この粘液は、先ほど紹介したアリシンとは違い加熱しても冷凍しても効果は変わりません。
免疫力をアップさせるには、粘液があるネギの青い部分を食べる事が効果があります。では、ネギの青い部分にある粘液を使った効果的な食べ方を紹介します。
効果的な食べ方
■ネギ味噌
(1)青い部分を細かく刻む
(2)それをすり潰す
(3)同じ量の味噌を入れて混ぜます
鍋料理の薬味として使ったりしましょう。
■青ネギマヨネーズ
【材料】
・ネギの青い部分 100g
・卵黄 1個
・酢 大さじ1
・サラダ油 大さじ6
・塩 小さじ1
・コショウ 少々
【作り方】
(1)青い部分を細かく刻む
(2)酢と卵黄をフードプロセッサーにかける
(3)サラダ油を3回に分けて入れてフードプロセッサーにかけて調味料を加えて味を調える
野菜やスルメに付けたり、鍋やスープに入れても食べても美味しい。
ネギの賢い保存方法!
番組ではいろんな保存方法を農家などに聞いて実践。最も鮮度を保た状態で保存できる方法を紹介。その方法は、ネギを半分に切って新聞紙で包んでチルド室で保存。
実はネギを横に置くと起き上がろうとして、エネルギーを消費してしまいます。ですが、チルド室で保存すると寒いので呼吸を減らしエネルギー消費を抑えることができるのです。その結果水分量の減少を抑えられるので鮮度が保たれるんですね。
また、チルド室に入れると、ネギは凍らないように反応を起こして糖分を増やすそうです。その為甘みが増えるんだそうですよ。これからは、ネギは新聞に包んでチルド室で保存しましょう。